【読書記録】村山由佳「はつ恋」:数十年ぶりに再会した幼馴染との恋愛小説

恋愛小説

こんにちは。ぽてとです。村山由佳さんの「はつ恋」読了しましたので記録をば。

わたしもこんなに甘えられる恋人がほしい!と主人公が羨ましくなりました。

村山由佳さんの恋愛小説なら間違いないですよね。それでは早速。

作品情報
作品:はつ恋
著者:村山由佳
出版:ポプラ文庫
初版:2021年11月5日

村山由佳 著「はつ恋」は、こんな人におすすめ!

  • 甘々な話が読みたい人
  • 関西弁が好きな人
  • 大人の恋愛小説を読みたい人
  • 自然が好きな人

村山由佳 著「はつ恋」 あらすじ

南房総の海沿いの町で、古い日本家屋に愛猫と暮らす小説家のハナ。二度の離婚をへて、人生の後半をひとりで生きようとしたときに巡り合ったのは、幼少期を姉弟のように過ごした幼馴染のトキヲだった――。四季のうつくしい巡りのなかで、喪失も挫折も味わったふたりは心も体も寄せ合いながら、かけがえのない時を積み重ねていく。あたたかな祝福に満ちた、大人のための傑作恋愛小説。

出版社あらすじより

村山由佳 著「はつ恋」を読んだきっかけ

エッセイ本を多く読んでいた時期だったので、そろそろ小説に戻るか~幸せそうな恋愛小説がいいな!と思って手に取りました。恋愛小説と言えば、村山さんなので♪

村山由佳 著「はつ恋」読書記録

作品中で印象的だった文章をピックアップ。

前もってよけいなことを気にしても意味はない。ひとは畢竟、その時々の精いっぱいで生き、流れ流されてどこかにたどり着く。流れ着いた先で、日々を少しでも愛おしく思える瞬間があるのなら、それこそは幸せというものなのだろう。

はつ恋/村山由佳著

恋に、適齢も不適齢もありはしない、落ちてしまえばそれが答えだ。

はつ恋/村山由佳著

どうしても譲れないことなど人生に一つか二つあればいい。

はつ恋/村山由佳著

人間関係における後悔というものは、多くの場合、伝えられなかった言葉と結びついている。

はつ恋/村山由佳著

過去を、否定しとうないのはわかる。誰かてそや。けどな、美化するあまりに自分を責めて、後悔しすぎるのはあかん。

はつ恋/村山由佳著

甘々な恋愛小説かと思いきや…

冒頭部分に目を通すと、ただの甘々なカップルの話かと思い(まああながち間違いではないけれど)読み進めるのが辛そうだなあと思いましたが、風景描写や心理描写が素晴らしく、やっぱりただの恋愛小説じゃない…

さすが村山由佳の描く恋愛小説だな!

と感じました。トキヲの優しさを全身で感じられる主人公のハナが羨ましい…!関西弁は読み慣れないんですが、なんとなく良い声で脳内再生されました(笑)お互い離婚を経ての再会とは言え、幼馴染との恋愛って、幼いころからの記憶を共有しているということもあって、ドキドキしますね…。

たおやかな和の雰囲気をまとっている

卯月、如月…など各章のタイトルに和を感じられるのもいいですね。著者の村山由佳さんも着物をお召しになっている姿を時々拝見しますが、とてもお似合いです。村山さんだからこそ、さらりと自然にこの小説の雰囲気を作ることができるのだろうなあと思います。南房総の植物や自然の描写もたびたび出てきて、そこから季節の移り変わりや登場人物の心情の変化が感じられます。繊細な筆致によって鮮やかに情景が浮かび上がり、匂いまでも一緒に感じられる小説でした。

村山由佳プロフィール
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。 2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学 賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 明日の約束 おいしいコーヒーの入れ方 SECOND SEASON 2 (ISBN-13: 978-4087465754 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
amazon 著者略歴より
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