こんにちは!ぽてとです。
はじめに
今日はぽてとが一番好きな作家「伊坂幸太郎」のおすすめ本をご紹介します。伊坂幸太郎氏といえば、ミステリ、エンタメ的要素の中に知的でユーモアあふれる文章が特徴です。また、作品同士のリンクや伏線の回収、見事な作品構成で多くのファンを魅了している作家です。それゆえに癖の強い作品もあり、最初にそのような作品を手に取ってしまうとせっかくの伊坂ワールドを堪能する前に挫折してしまうかもしれません。そこで今回は伊坂作品初心者の方にも、構えずに楽しんで読んでもらえる作品を5つ選んでみました。
まずは、伊坂幸太郎氏のプロフィールから、どうぞ!
伊坂幸太郎プロフィール
1971年5月25日生まれ。千葉県松戸市出身。東北大学法学部卒業。大学卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。数年後に作家専業となった。宮城県仙台市在住。(Wikipediaより)
仙台市在住とあって、物語の舞台も仙台が多いです。映像化されたものも仙台ロケが多く、筆者も聖地巡礼したファンの一人です笑
それでは、作品紹介へいきましょう!
作品紹介
死神の精度
愛すべきクールな死神千葉を町で探してみたくなる。
「人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも酷いのは、渋滞だ。」
死神の精度 伊坂幸太郎
まず、最初にお勧めしたい一冊。6つの短編の構成なのでサクッと読めます。ミュージックを愛するクールな死神千葉と、その調査対象になった人間とのやりとりの中で、沢山の気づきが生まれ、1冊を読み終わる頃には穏やかな気持ちになります。死神千葉と、死を目前にした調査対象の人間との会話ひとつひとつが印象的。死神の名前=地名のルール、千葉が仕事をする間はずっと雨が降る、死神はCDショップの試聴コーナーに入り浸るなどの設定も面白いです。死神とはいえ、見た目は普通の人間。町を歩いていたら出くわしそうですね。伊坂作品の特徴とも言える、他の作品とのリンクもあり、後に紹介する「重力ピエロ」の春が出てきます。何気ない会話をするのですが、作品を知っているとより深みが増します。
アイネクライネナハトムジーク
伊坂カラーの恋愛小説!
「いいか、後になって、『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」
「アイネクライネ」アイネクライネナハトムジークより 伊坂幸太郎
連作短編集。元はミュージシャンの斉藤和義からの依頼がきっかけで生まれたのが冒頭の「アイネクライネ」「ライトヘビー」。そこから膨らんだ物語4つも合わせてつながりのある作品になっている。伊坂作品にしては珍しく恋愛もので、殺し屋や強盗などの物騒な登場人物、超能力や奇妙な設定のないものになっており、作者自身もあとがきにおいて「普段の僕の本に抵抗がある人にも楽しんでもらいやすくなったのではないか、そうであってほしい、と期待しています」と記しています。とはいえ、すべての物語が緻密に計算された上でつながりを持っており、最後の最後まで伏線の回収が行われるところは伊坂幸太郎氏ならでは。恋愛要素もさらっとしているため読後感も良くおすすめしやすい一冊です。
重力ピエロ
知的好奇心をくすぐる謎解きと、感動の家族の物語。
本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ
重力ピエロ 伊坂幸太郎
「春が二階から落ちてきた」という印象的なフレーズで始まるこの作品は、テーマとしては伊坂作品の中では重めです。辛い過去を持つ家族の話と、兄弟の絆…。あるとき、彼らが住む仙台市内で連続放火が起こり、謎のグラフィティアートが出現します。泉と春の兄弟はグラフィティアートの謎解きを進めるうちに、遺伝子との関係性に気付きます。すべての真実が明らかになったとき、この家族の絆に、兄弟愛に、感動で胸がいっぱいになります。私自身、この作品をきっかけに伊坂作品にハマりました。ミステリ的要素も含みながら知的好奇心を刺激され、偉人の言葉の引用に姿勢を正され、登場人物のセリフに感銘を受けます。読後感さわやか。
陽気なギャングが地球を回す
このギャングたちと友達になりたい!
何が起きるか分からないほうが、生きていくのは楽しい
陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎
「陽気なギャング」シリーズ第1弾。4人の天才ギャングたちの軽妙洒脱、痛快無比なエンタメ小説。純粋に「面白くて楽しい小説が読みたい!」という方におすすめ。誰を選んでも個性的で魅力的なギャングたちと、物語中の見事な伏線回収術は、伊坂幸太郎にしか書けないと言っても過言ではないですね。強盗の話ですが、「暴力を使わずに知力と特殊能力を用いてスマートに奪い去る(文庫版解説:村上貴史氏)」なんとも珍しい設定です。演説をする銀行強盗って聞いたことあります?笑 こんな仲間がいたら退屈しないだろうなと思います。シリーズ第3弾まで出版されていますが、どれも面白いですよ。
エッセイ
「仙台ぐらし」
伊坂幸太郎は心配性⁉
ここまで、伊坂幸太郎氏の小説を紹介してきましたが、最後の一冊はエッセイを紹介します。
記憶というものは、常に変化し、誇張や嘘が混じるものなのだ。
仙台ぐらし 伊坂幸太郎
「エッセイが得意ではない」と自ら語る伊坂幸太郎氏のエッセイ集第2弾。ご本人は得意ではないと仰っても、とても魅力的で楽しめるエッセイを書くのが伊坂氏。作家の意外な一面を知ることができるし、親近感も湧いて、より伊坂作品を楽しめるようになりますよ。心配性な彼の日常を知ると「本当にあの小説を書いている人と同一人物なの!?」という気持ちになります。大爆笑ではないけど、クスッと笑いがこぼれる話が沢山。仙台にも遊びに行きたくなります。短編小説「ブックモービル」も収録されていますよ。
おわりに
さて、伊坂幸太郎初心者にお勧めの作品5選、いかがでしたでしょうか。エッセイ以外の4作品はすべて映像化されており、もしかしたら映像を先に観られた方もいるかもしれませんね。他にも紹介したい本はたくさんあるのですが、今回はできるだけどんな人にも楽しんでもらえそうな作品を厳選してお届けしました。伊坂作品を読むきっかけになれば嬉しいです!