こんにちは。ぽてとです。またまた猫エッセイを読んだので紹介しますね。今度は童話というよりも、友達の話を聞いているような、それでいて味のあるエッセイ。おもしろいです。それでは、どうぞ!
猫には嫌なところがまったくない
著者:山田かおり氏について
1974年 尼崎生まれ。
アパレルブランドQFDデザイナー/エッセイスト。『株式会社家族』(リトルモア)で話題をさらう。続編『株式会社家族/私も父さんに認めてもらいたい』(リトルモア)。最新刊は発売前から話題となった猫エッセイ『猫には嫌なところがまったくない』(幻冬舎)。ほぼ日刊イトイ新聞の連載『明るい家族相談室』ではストレートな回答ぶりが人気。
PRTIMESより
関西のかたなんですね!エッセイの文体にも関西弁が沢山使われていて、それがまた味があっておもしろいです。
本の概要
尼崎出身ファッションデザイナー。 『株式会社家族』で話題をさらった著者初の猫エッセイ。爆笑、号泣。こんな猫本ずるすぎる! ! 「どんなに掃除してもひょっこり出てくるやつらの毛。 でもいつかはこの毛も完全になくなってしまうのだろうか」 さして仲良くない二匹の猫と暮らす「お姉」。 お姉にとってやつらは親友。 くだらなくて愛おしい、 永遠に続くと思うほど幸せな 長い夢のような時間。しかしー ある日突然、その時間に終わりがやってきて……。 誰にでもいつか訪れる、大切な「親友」との別れ。 読んだら最後。誰もが今すぐ家に帰って 愛猫を抱きしめたくなる、特別な猫本。PRTIMESより
爆笑、号泣、読んだら最後。まさにその通りの一冊でした。元々はQFDのHPに書かれた日記なんだそうです。
猫には嫌なところがまったくない は、どんな内容なの?
本の内容をご紹介していきます。きっとあなたも読みたくなるはず!
素晴らしき猫たち。チャッピー(CP)とのりやす
このエッセイでは2匹の猫がたびたび登場します。それが「高級アクセサリーショップあだち」の鳥かごの中にいた、ちょび髭のような模様が特徴のチャッピー(CP)と、野良猫なのに8kgの巨体で海苔が好きなのりやす。どちらも山田氏の妹さんの一言でかおり氏の元へ。対して仲良くないのに、お腹が空いたときにだけ力を合わせる二匹。山田氏の二匹の猫へのアテレコも最高です。
猫なしの話も抜群に面白い
仕事関係の人、喫茶店のおばちゃんたち、道端で見かけた老人、友人、近所の小学生に至るまで、様々な人々がこのエッセイには登場します。どこにでもいそうな人たちだけど、山田氏の観察眼を侮ることなかれ。鋭い突っ込みやら苛立ちやら、関西弁でズバッと斬っていく(というほど乱暴なものではないのでご安心を)のが面白い。どれも飄々としていてどこかに飛んでいきそうな自由な文体で、どちらかというと後ろ向き思考なのに、それが絶妙にゆるくて楽しいのです。
家族が面白い
山田氏は「株式会社家族」という本も書いていて(私はまだ読んでいないのですが…)どうやらご両親、妹さん、皆さん個性豊かなお人らしい。オシャレ好きで昭和気質のお父様に、ホラー映画を観るのに子供を道連れにするお母様、しっかり者の妹さん。とりわけお母様が面白いです。「おまえはマルコかい?」と呼び掛ける母、「おかあさーーーん!」と駆け寄っていく娘。「母を訪ねて三千里」のあのシーンを再現して楽しんでいる母娘がこの世に一体何組いるのだろう。この本の題名「猫には嫌なところがまったくない」もお母様の言葉です。猫を諦めないお母様。最強です。
味のある写真も
エッセイと一緒に猫たちの写真もたくさん掲載されています。なんとも味のある表情をした猫たち。山田氏の文体がそのまま写真になったみたいな(?)ぜひ本を手に取って見てみてくださいね。山田氏のインスタグラムからもそのセンスが伝わってきたのでリンクを貼っておきます。デザインされたお洋服もかわいい!
山田かおり氏のインスタグラム▶@qfd_yamada_kaori
おわりに
猫好きの人にも、そうでない人にも読んでほしい「猫には嫌なところがまったくない」。とにかく山田氏の文章がとっても魅力的。クールなのに面白い。後ろ向きなのに前向きになれる。きれいな言葉ばかりではないけど、根っこにどっしりとしたものがあって、潔くて楽しい。こんな、にぎやかな文章を書けるって素敵です。未読の本も取り急ぎ注文せねば。最後までお読みいただき、ありがとうございました!